IT転職で「1社のエージェントだけ使う」のは、戦略的にもったいない選択です。
📊 公開統計で見るIT転職市場の現状
編集部が転職判断の参考材料として、信頼できる公開統計を以下に整理しています。
- 2030年に最大79万人のIT人材不足(出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」2019年)
- ITエンジニア平均年収:469万円(出典:doda「平均年収ランキング」2024年版)
- 東京都IT技術関連職の有効求人倍率:3.17倍(出典:東京労働局「労働市場月報」2025年)
- SESエンジニアの平均年収:20代390万/30代560万/40代670万円(出典:レバテック調査)
- IT・通信業界の平均提示年収が前年比17万円アップ(出典:パーソルキャリア「決定年収レポート」2024年度)
※上記は公開統計の引用です。個別のキャリア状況によって結果は異なります。
結論から言えば、「リクルートエージェント(求人量)× IT特化型エージェント(専門性)」の併用が、IT転職で最も成果が出る組み合わせです。この記事では、両者の役割の違いと併用テクニックを具体的に解説します。
なぜリクルート×IT特化の併用が有効なのか
転職エージェントは大きく2タイプに分かれます。
項目 | リクルートエージェント(総合型) | IT特化型(レバテック等) |
|---|
公開求人数 | 業界最大(約16万件) | IT特化(約5万件) |
担当者の技術理解 | ★★☆☆☆ | ★★★★★ |
地方求人 | 強い | 弱い(首都圏中心) |
大手企業求人 | 圧倒的に強い | 少なめ |
モダン技術スタートアップ | 少なめ | 圧倒的に強い |
お互いの弱点を完璧に補完する関係です。だからこそ併用は現実的な選択肢になります。
リクルートエージェントが強い領域
① 大手企業・上場企業の求人量
NTTデータ・富士通・日立・ソニー・楽天・サイバーエージェントといった大手企業の中途求人は、リクルートエージェントが圧倒的に多く扱います。「安定×IT」を狙うならリクルート必須です。
② 地方都市の求人
大阪・名古屋・福岡・札幌などの地方IT求人は、リクルートエージェントが地域別の専門担当を抱えており、地方IT特化エージェントより求人量が多いケースが多くあります。
③ 業界横断の知見
「IT業界以外も検討に入れたい」「事業会社の社内SEを目指したい」といったキャリアの選択肢が広がる相談に強いのもリクルートの特徴です。
IT特化エージェントが強い領域
① 技術理解と提案精度
レバテックキャリア・Geekly・マイナビIT AGENTといったIT特化型は、担当者自身がIT業界出身で、技術用語が通じるのが最大の特徴。「React案件で年収600万以上希望」という具体的な要望が即座に伝わります。
② モダン技術スタートアップの求人
Go・Rust・TypeScript・Kubernetesといったモダン技術のスタートアップ求人は、IT特化型に圧倒的に集中。SES→自社開発の脱出ルートはIT特化型が握っています。
③ 詳細な技術面接対策
「この企業のシステム設計面接ではこういう問題が出る」「コーディングテストの傾向は〇〇」といった企業別の深い情報を持っているのもIT特化型です。
想定ケース①:併用で内定をつかむまでの道筋
具体的な併用テクニック
テク①:登録時に「他社も使っている」と伝える
「リクルートさんに登録済みです、技術的な提案を強化したくIT特化型も検討しています」と最初に伝えるのが鉄則。担当者の本気度が変わります。独占でないと分かれば、競合に勝つために優先度を上げて対応してくれることが多いです。
テク②:面接日程は1社にまとめて管理してもらう
応募社数が増えると日程管理が破綻します。最も信頼できる担当者(多くの場合IT特化型)に「メインの調整役」をお願いし、もう1社の担当者と連絡を取り合うフローを作りましょう。
テク③:内定後の年収交渉は競合提示を使う
1社で内定が出たら、もう1社の選考状況を担当者に伝えて「年収交渉のテコ」にします。例:「リクルート経由で◯◯社から年収750万の提示が出ています」と伝えるだけで、レバテック側の提案企業も年収を引き上げる動きをすることがあります。
想定ケース②:2社併用で年収交渉を有利に進める流れ
注意:エージェント併用のNG行動
❌ 同じ企業に2社経由で応募する
これは避けるべきです。応募企業側に混乱を生み、最悪の場合「不誠実」として両エージェントから信頼を失います。応募管理表を自分でも作って、重複応募を防ぎましょう。
❌ 内定承諾後に他社の選考を続ける
内定承諾は契約に近い行為。承諾後に他社選考を続けるのは、エージェント・企業双方への信頼を著しく損ねます。
❌ 全部のエージェントに同じ温度感で接する
4社以上に同じテンションで接すると消耗します。「メイン2社+スカウト型2サイト」のように役割を分けるのが現実的です。
想定ケース③:地方転職で併用が活きるパターン
よくある質問(FAQ)
Q. エージェントは何社まで併用すべきですか?
A. 2〜3社が現実的なラインです。4社以上は連絡対応の負荷が高すぎて、本来の活動に支障が出ます。「メイン2社+スカウト型1〜2サイト」がベストバランスです。
Q. 同じ企業に2社のエージェント経由で応募してしまったらどうなりますか?
A. 多くの場合、先に応募した方の窓口で進む扱いになりますが、企業側の信頼を損ねるリスクがあります。応募前に必ず「この企業は他社経由で応募しています」と伝えましょう。
Q. リクルート経由とIT特化型経由で同じ求人があった場合は?
A. 技術的な深い相談ができるIT特化型を選びましょう。面接対策・年収交渉の質に直接効きます。
まとめ|IT転職は「総合型×特化型」の両刀使いが正解
1社だけのエージェント利用は、片目で転職活動をするようなものです。リクルートエージェントとIT特化型を併用することで:
- 求人量と専門性の両方を確保
- 視野が広がり、視野狭窄を防ぐ
- 年収交渉のテコが増える
まずはIT特化型のレバテックキャリアと、総合型のリクルートエージェントの両方に登録するところから始めてみてください。